役に立つオモシロ医学論文

女性は犬より猫と暮らす方がいい?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 動物好きな人にとって、犬や猫と一緒に暮らすことは、日々の癒やしにつながります。医療現場においても、「アニマルセラピー」と呼ばれるものがあり、動物とのふれあいを通じ、患者さんの生活の質向上が期待されています。

 さて、ペットの飼育状況と死亡との関連を検討した論文が、高血圧・心臓病に関する予防医学の専門誌(2016年5月12日付)に掲載されました。

 この研究は、50歳以上で大きな病気をしたことがない3964人のデータを解析したものです。ペットを飼っている人と、飼っていない人を比較し、心臓病による死亡、脳卒中による死亡のリスクを検討しています。ペットの飼育状況は1988~94年に調査し、身体状況について2006年まで追跡しました。

 その結果、解析対象者の34・6%がペットを飼っており、犬が22%と最多でした。統計的に有意な差はないものの、女性はペットを飼っていると、心臓病による死亡が31%、脳卒中による死亡が46%少ない傾向にありました。この傾向は犬よりも猫で顕著でした。一方、男性での解析では明確な差は見られず、ほぼ同等という結果になっています。

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青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。