なりやすい病気は血液型でわかる

研究論文が語る「血液型と長生き」の深い関係

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 アメリカの研究グループが11年に発表した研究では、「年齢に伴ってB型の人の割合が減少する」という結果が報告されています。つまり、年齢が高まるにつれてB型の人がより多く亡くなっているということです。さらに、15年にイランの研究グループが発表した論文によると、「非O型はO型と比べて死亡率が1.1倍高い」という結果になっています。

 血液型と寿命が関係しているかどうかは、現時点では何とも言えません。ただ、調査対象の人数などを考慮すると、「非O型の寿命が短い」という主張に、やや分がありそうにも見えます。ただ、寿命の違いはわずかですし、それが単に血栓症やがんのなりやすさによるものかどうかは、まだ何とも言えません。

 一方で、遺伝子と病気の関係を探る「ゲノムコホート」と呼ばれる大規模な疫学的研究が、世界中で始まっています。数十万人の遺伝子を調べ、さらに何年にもわたって病気や死亡などを克明に記録し続けて、統計的な解析を行うのです。もちろん、血液型と病気や寿命の関係も割り出すことができます。あと5年か10年待っていれば、もっと面白い結論が得られるかもしれません。

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永田宏

永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。