歌舞伎俳優・市川海老蔵(38)の妻でフリーアナウンサーの小林麻央さん(33)の乳がんを知り、「女房が大病したらどうしよう」と不安を覚えた人もいるだろう。
妻が会社員の場合は職場で定期健診を受ける機会があるが、専業主婦やパート労働の主婦には健診を受けない人が多い。東京都の場合、子宮がん検診の受診率は39.8%、乳がん検診は39%と、女性の4割しか受けていないのだ。妻に元気でいてもらうには健康を気づかうよう、夫がアドバイスしなければならない。
「がんは症状が出たらかなり進んでいる証拠。すぐに医師の診断を受けさせるべきです」とは医学博士の左門新氏だ。
「乳がんについては『自己検診』といって、女性が鏡で乳房を見て左右の形に違いがないか、くぼみで輪郭が歪んでいないかチェックすることが推奨されています。便が細くなるのは直腸がん、空腹時に胃が痛くなるのは胃潰瘍を疑ってください。一日に5回以上トイレに行き、便に白い粘液と血が混じっていたら潰瘍性大腸炎のおそれがあります」
顔がむくむのは慢性腎炎、足がむくむのは心臓の機能障害、胸から肩、奥歯にかけて痛みを感じるのは心筋梗塞の前兆の可能性がある。
脂っこい食べ物が好きだった妻が、そうしたものを食べたがらなくなったら、胆石や胆のうポリープ、すい臓がんを疑ってみる。階段を上るとき、息切れして途中で足を止めるようになったら、慢性閉塞性肺疾患や心臓肥大、心臓弁膜症の疑いがある。
「妻が好きな趣味から遠ざかったり、何事もやる気がなくなった、食欲が減退して体重が5キロ減った。こんな症状が出たら、うつ病を含めたあらゆる病気の疑いがあるので、内科の診察を受けさせること。食事のとき口から食べ物をこぼす、急に記憶力が落ちる、うまく手足が使えない、ろれつが回らないときは脳梗塞かもしれません」(左門新氏)
20代から子宮がん検診、30代は乳がん検診、40代では大腸がん検診と、年齢とともに検診の種類を増やす。胃がんについては血液採取で分かるABC検診が便利だ。