赤血球が大量に破壊されるため、患者は発熱、悪寒、貧血などに見舞われます。悪化すると、原虫に寄生された赤血球が毛細血管に詰まって多臓器不全を起こし、死亡するケースも少なくありません。
マラリアは南国の病気だから心配いらない、というわけにはいきません。実は日本でも戦前までは、全国各地で患者が発生していました。とくに沖縄、九州や琵琶湖周辺で多く見られました。いまは国内で患者が発生することはありませんが、熱帯地域を旅行して感染した患者が、毎年数十人出ています。外国人観光客のなかにも感染者がいるかもしれません。
マラリア原虫は、ハマダラ蚊と呼ばれる蚊が媒介します。この蚊は日本でも普通に見られるので、2次感染が心配されています。その兆候はまだありませんが、地球温暖化の影響で日本の夏は熱帯化しつつあります。2年前には東京のど真ん中でデング熱騒動もありました。いつ、マラリアがブレークしても不思議ではありません。
マラリアが多い赤道周辺諸国では、先住民の半数以上、とりわけ中南米ではほぼ100%がО型であることが知られています。何万年にもわたるマラリアとの闘いで、非О型が駆逐され、О型だけが生き残った結果です。
なりやすい病気は血液型でわかる