ABO血液型の比率は、国や民族によって大きく異なります。日本人はA型4割、O型3割、B型2割、AB型1割です。ヨーロッパではA型とO型が各4割以上を占めており、B型やAB型の比率はかなり低くなっています。
一方、赤道周辺のアフリカやオーストラリア(先住民)、中南米ではO型が5割からほぼ10割です。これらの地域は有史以前からマラリアに濃厚に汚染されているため、マラリアに強いO型ばかりが残り、非O型が駆逐されてしまったと考えられています。
ところが同じマラリア汚染地帯でも、インド、バングラデシュから東南アジアにかけての国々では、O型とB型が拮抗しているのです。インド東部やバングラデシュではB型4割、O型3割ですし、東南アジア諸国では、B型、O型とも35%前後です。マラリアに弱いはずのB型がこれだけ多いのはなぜでしょうか。
実はこの地域は、マラリアだけでなく「コレラ」の汚染地帯としても有名です。もともとコレラは、インドから東南アジア一帯の風土病として、長年にわたってこの地域の住民たちを苦しめてきました。コレラ菌は感染すると、人の大腸にすみついて、タンパク質でできた毒素(コレラ毒素)を放出します。それによって激しい下痢を起こすため、治療が遅れると脱水症状から死に至ります。
なりやすい病気は血液型でわかる