ところがそんなコレラに、なぜかB型が強いことが、多くの疫学的研究から明らかになっているのです。しかも、O型がコレラに弱いことも分かっています。O型はコレラに感染しやすいのです。
世界的な「家庭の医学」として有名な「メルクマニュアル」にも、そのことが書かれています。また重症化しやすいことも知られています。スコットランドで1996年に発生したコレラ禍では、死者の実に9割近くがO型でした。インドや東南アジアの血液型の割合は、コレラとマラリアによって淘汰された結果というわけです。
現在は、コレラ毒素に対抗するワクチンが実用化されています。経口タイプなので、接種も簡単です。インドや東南アジアのローカルエリアを旅行する際には、事前に飲んでおくと安心です。ただしO型の人は、ワクチンの効き目もいまひとつといわれています。
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永田宏
長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授
筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。