独白 愉快な“病人”たち

作家・村野正好さん 乳がんで「なぜ男性が?」の重圧感じ

村野正好さんにもワイドショー出演していた(C)日刊ゲンダイ

 多少の違和感を覚えながらも、さして気にするでもなく過ごしていたんですが、ある日、がん発見のきっかけになる出来事がありました。週末の夜、右足の指全体を食卓の脚に強打したことです。そのときは外傷もなく、土日は何事もありませんでした。でも、週明けになって切断してしまいたいほど痛みだしたのです。即座に病院に駆け込むと「目に見えないような小さな傷口からばい菌が入った」とのことで、抗生物質を投与されつつ、少し精密な人間ドックを受けることになりました。

 そこで見つかったのが、冒頭でお話しした広範囲に点在する4つの腫瘍です。アーモンド~ウズラの卵大のものが皮膚の1~2センチ内側にあり、「あと数カ月、発見が遅かったら手遅れ」のレベル。がんの進行度はステージⅢかⅣでした。

 ただ、自分が乳がんだと分かったのは、さらに先のことでした。「大本のがんが、どこかにあるはず」と、最新検査でくまなく内臓を調べ上げても何もなく、最終的に乳腺外科のお世話に……。

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