医療数字のカラクリ

100mgで72万9849円 新薬「ニボルマブ」の驚くべき値段

 延命効果があり、従来の抗がん剤より副作用も少ない新薬「ニボルマブ」(オプジーボ)ですが、大きな問題が生じています。

 抗がん剤は高価なものがもともと多く、論文において比較対照として使われた「ドセタキセル」(タキソテール)の値段は80ミリグラムで5万2853円。体表面積1平方メートル当たり60ミリグラムの使用とすると、165センチ、65キロの患者さんでは100ミリグラム程度必要となり、おおよそ1回6万5000円。3週間ごとにこれだけの薬代がかかることになります。

 もちろん大部分は健康保険の高額医療費でカバーされますから、ほとんどは公費負担です。さらにはジェネリックという安価な同じ薬剤が出ていますから、さらに負担を減らすことができます。

 それに対して、ニボルマブの値段は100ミリグラムで72万9849円です。桁数の書き間違いではありません。ドセタキセルの10倍以上です。

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名郷直樹

「武蔵国分寺公園クリニック」院長、「CMECジャーナルクラブ」編集長。自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、東大医学教育国際協力研究センター学外客員研究員。臨床研究適正評価教育機構理事。7月末に「検診や治療に疑問を感じている方! 医療の現実、教えますから広めてください!!」(ライフサイエンス出版)を出すなど著書多数。