なりやすい病気は血液型でわかる

「ノロウイルス」や「ピロリ菌」が好む血液型は何型?

A型の発症率だけが異常に高かった食中毒も(C)日刊ゲンダイ

 ABO血液型を決めているのは、赤血球の表面に結合している「糖鎖」という物質です。ところが血液型糖鎖は赤血球だけでなく、口腔、食道、胃腸、気管、皮膚などなど、人体のさまざまな細胞表面にも存在しています。A型、B型、O型糖鎖がありますが、AB型の糖鎖はありません。AB型の人には、A型とB型の両方の糖鎖が使われています。

 人体細胞に使われている血液型糖鎖が何に役立っているかは、よくわかっていません。しかし、さまざまな食物感染や空気感染と関係していることが明らかになりつつあります。細菌やウイルスが人体に感染するためには、第一段階として、消化管や気管の表面細胞と密着する必要があります。そうでなければ人体にとどまることはできず、便や痰と一緒に排出されてしまい、感染は成立しないからです。

 そのため細菌やウイルスは、人体細胞と密着するためのさまざまな工夫を凝らしており、中には血液型糖鎖を利用する方法を採用しているものもいるのです。つまり、消化管や気管の表面を覆っている血液型糖鎖と、化学的に結合できるような仕組みを持っているのです。

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