専門医が解説 あなたの高血圧が改善しない「3つの理由」

40歳以上で最初に疑うべきは薬のタイプ(C)日刊ゲンダイ

 治療には、腫瘍を取り除く手術か、アルドステロンの作用を抑える薬物治療がある。医師の中には、「手術によってアルドステロンの過剰分泌を抑えられ、血圧も低下する」と主張する人もいるが、桑島医師は慎重な姿勢だ。

「原発性アルドステロン症もあるが、本態性高血圧(従来の高血圧)も併発している人が少なくない。特に40歳以降ではそれが考えられ、手術だけでは治りにくい」

 まずは原発性アルドステロン症かどうかをチェックし、もしそうなら原発性アルドステロン症の治療を取り入れつつ、本態性高血圧の治療も行うのが適切だという。血液検査でアルドステロン濃度と、血圧を上げる物質を作る酵素のレニンの活性を測定し、その比率を調べればいい。原発性アルドステロン症は、血液中のカリウム値が低いのも特徴だ。

「薬をきちんと飲んでいるのに改善しない」という状態は、「3種類以上の薬を飲んでいるのに、血圧が140/90mmHg以下にならない」ということ。タイプに応じた薬を飲み、原発性アルドステロン症でもなければ、考えられるのは、強いストレスによる高血圧。これが3つ目の理由だ。

「ストレスが強い状態が続けば血圧は下がりにくい。職場や家庭での血圧が、普段と比べてどれほど差があるかを調べる。それを主治医に伝え、薬で調整してください」

 高血圧は脳卒中、心筋梗塞などの原因になる。くれぐれも早い対策を。

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