医者も知らない医学の新常識

脳卒中、心筋梗塞のリスクも 「片頭痛」の危険性と予防法

片頭痛の薬は脳卒中の予防にはならない(C)日刊ゲンダイ

 片頭痛というのは、目の前に光がちらつくなどの前兆の後で、頭の半分のズキズキとする強い痛みが発作的に出現する症状で、中年以前の女性に特に多いことが知られています。慢性の頭痛の代表で、皆さんの中にもつらい症状に悩まれている方が多いのではないでしょうか。

 片頭痛の原因は、脳の一時的な興奮や、血管の拡張によるといわれています。しかし、まだその原因が全て解明されているわけではありません。命に影響を与えたり、後遺症が残るような悪い病気ではありませんが、実は片頭痛持ちの方は、脳卒中や心筋梗塞などの動脈硬化の病気が、片頭痛を持っていない人の1・5倍くらい多く発症する、との統計があります。どうやら脳の炎症が血管に影響を与えるということのようなのですが、詳細は不明です。

 今ある片頭痛の治療薬は、頭痛の発作を抑えるだけなので、脳卒中の予防にはなりません。動脈硬化を予防する作用のある、コレステロールの降下剤(スタチン)が、片頭痛を予防した、という研究結果があり、スタチンが片頭痛による脳卒中も予防できるのでは、と今注目されています。

 いずれにしても、片頭痛のある人は、喫煙や暴飲暴食などの悪い習慣を遠ざけ、定期的に健診を受けるなどの予防策を取った方が安心だと思います。

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。