注目抗がん剤で患者を誤誘導 悪質クリニックの巧妙手口

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「このニボルマブを不適正に使用しているインチキクリニックが大流行しているのです。私の外来のほとんどの初診患者さんが、インチキクリニックの話をされます」

 これらのクリニックに共通しているのは、免疫機能をアップさせてがん細胞への攻撃を増すとして「免疫細胞療法」を自費診療で行っている点だ。免疫細胞療法に関しては、がん治療の専門医のほとんどが効果を疑問視している。

 しかし、「打つ手がないといわれた進行・再発がんが縮小した」といった言葉につられ、何百万円、何千万円といった高額の医療費を自己負担で支払って、治療を受ける患者が後を絶たない。

 中には、抗がん剤治療が効果を発揮するがんなのに免疫細胞療法を選択し、患者が「効かないから、やはり抗がん剤治療を受けたい」と思ったときにはすでに手遅れ……というケースもある。

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