ダヴィンチ手術が腹腔鏡下手術に劣る欠点は何か。それは、手応えなどの「触覚」を感じながら手術をできないことだという。触覚がないと、縫合糸の操作などの手加減が難しく、縫合が不完全になってしまう可能性がある。ロボットのアームが臓器や骨に接触してしまったときも、手応えとして感じることができず、傷つけてしまう恐れもある。
「『触覚がないもので生身の体を扱いたくない』というのが、ダヴィンチ手術を導入しない理由です。今は腹腔鏡も3次元モニターなので、手術時間や合併症の頻度も多くのダヴィンチ手術に勝るとも劣りません。尿失禁の回復も、70%は1カ月以内にパッドがいらなくなる。術後1年の段階で、パッドを1日2枚以上使うようなひどい尿失禁が残る確率は2~3%以下です」
触覚を生かした丁寧な手術は、術後の回復の早さでも分かる。通常5~6日は必要な尿道カテーテルは、97%が3日で抜くことができる。そして、95%が術後5日で退院。ほとんどが退院翌日に仕事に復帰しているという。
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