病院は本日も大騒ぎ

「認定」看護師と「専門」看護師の違い

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 こんにちは! 関東圏の総合病院に勤め、看護師歴30年のミチヨです。みなさんは「認定看護師」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。それとは別に「専門看護師」というものがあります。両者にはどんな違いがあるのでしょう?

 どちらも日本看護協会が認定する資格ですが、求められる役割や分野、受験資格に違いがあります。専門看護師は特定分野の専門知識や看護技術だけでなく、看護の研究や看護全体のマネジメントをできることが求められます。一方、認定看護師は臨床に近い立場での高い看護知識や技術が求められます。

 専門看護師は22年前から始まり、大学院卒など受験資格のハードルが高いのが特徴です。認定看護師はその翌年から制度が始まりました。

 現在、専門看護師は「精神看護」「がん看護」「地域看護」など11種類に分かれ、認定看護師は「救急看護」「がん化学療法看護」「がん性疼痛看護」「訪問看護」「糖尿病看護」など21種類に分かれています。

 認定看護師で資格取得の人数が多いのは、「皮膚・排泄ケア」と「感染管理」です。それだけ現場のニーズが高いということでしょう。逆に不人気なのは「不妊症看護」。職場が限られているからかもしれません。

 他の職種では、資格を取ると給与や待遇がアップするものなのでしょうが、認定看護師の場合はそうとも限りません。日本看護協会の調査では、認定看護師になって以降、「勤務条件や給与は変わらなかった」という人が65%で、「給与が上がった」という人はいても、その額は1万円程度だそうです。逆に、仕事量は大幅に増えたと答えています。

 どんな職業もそうでしょうが、今は仕事に関する資格をどれだけ持っているかが大切です。うらやましいのは、大病院の医師は勉強のための論文検索や学会誌の購読、研究会・学会出席のための出張が認められていること。看護師は必ずしもそうとは限りません。ですから、ベテラン看護師は日常の膨大な業務をこなしながら、資格を取らなければならず、大変な思いをすることになるのです。

 よく、「ベテラン看護師は若手医師にはつらく当たる」なんて話を聞きますが、恵まれている環境を当たり前だと思っている医師に対する嫉妬もあるかもしれません。