病気リスクも減らす可能性 「遺伝子検査」の正しい使い方

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 実際、東大医科学研究所の研究チームなどが、食道がんの発症に関係する2つの遺伝子が配列変化を起こしている人を調べたところ、正常な人と比べて食道がんのリスクは6・79倍増加。そこに酒と喫煙が加わると、そのリスクは189倍へと跳ね上がると報告している。

「こういう人は自身の遺伝子を知ったうえで、禁煙・禁酒するメリットは非常に大きいのです」(石原院長)

 そもそも、人間の体はタンパク質から出来ていて、そのタンパク質を作るための設計図が遺伝子だ。その正体は、DNA(デオキシリボ核酸)で、アデニン、チミン、グアニン、シトシンという4つの塩基が特定の配列で30億個連なり、対をなして細胞の核の中におさまっている。DNAはタンパク質の設計図だけでなく、コピーを作って新しい細胞に受け渡すほか、受精によって両親の遺伝子を受け継がせる働きがある。

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