役に立つオモシロ医学論文

便秘による下剤の使用と「心臓病・脳卒中」の関連性は…

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 その結果、心臓病による死亡は、下剤の使用者で男性は56%、統計的にも有意に増加しました。女性は統計的有意ではないものの28%増加傾向でした。また、脳卒中による死亡は、下剤使用者で、男性は統計的有意ではないものの14%増加傾向、女性では27%統計的にも有意に増加しました。一方、排便回数と心臓病/脳卒中による死亡に明らかな関連性は認められませんでした。

 下剤の使用と心臓病/脳卒中による死亡リスク増加が示唆されますが、この研究結果においても、下剤の使用が原因なのか、便秘を誘発するような生活習慣が原因なのか、不明な部分もあります。

2 / 2 ページ

青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。