どうなる! 日本の医療

自治体で大きな差 子供の医療費助成は6歳まででいいのか

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「対象年齢のバラつきはありますが、多くの地方自治体は苦しい財政の中から、医療費助成制度を設置して子供の医療費ゼロを実施しています。ところが国は、そうした自治体に対し、国民健康保険国庫補助金減額というペナルティーを科しています」(芝田教授)

 その総額は2013年度で114億9000万円にも上る。

 国の考え方の根底には「自治体の窓口減免は、患者数を増やし医療費増につながる。助成実施の自治体と、そうでない自治体との公平性を図るため」がある。しかし、成長期にある子供の医療の充実は、将来の医療費抑制につながるのではないか。

 こうした声に押される形で国もペナルティー廃止の方向を打ち出したが、現時点で細部は詰め切れていない。恐らくは「小学校入学時まで無料」とする地方自治体に対しての国民健康保険国庫補助金減額措置を撤廃することになるだろう。しかし、これで十分とはいえない。

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村吉健

村吉健

地方紙新聞社記者を経てフリーに転身。取材を通じて永田町・霞が関に厚い人脈を築く。当初は主に政治分野の取材が多かったが歴代厚労相取材などを経て、医療分野にも造詣を深める。医療では個々の病気治療法や病院取材も数多く執筆しているが、それ以上に今の現代日本の医療制度問題や医療システム内の問題点などにも鋭く切り込む。現在、夕刊紙、週刊誌、月刊誌などで活躍中。