看護師直伝 がん治療と笑顔で付き合う

「抗がん剤」投与後2日間は性行為を控えること

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 前回に続き、がんとセックスについてお話ししたいと思います。がんの手術後は、体力低下、体勢の制限、ボディーイメージの変化があります。以前のセックスにこだわらず、「セックスの時間を短くする」「体位を変える」「着衣のまま行う」「照明を落とす」などの工夫を凝らしてみてください。

 子宮・卵巣や前立腺のがんなどでは、手術が性機能やホルモンバランスに直接影響します。性生活の再開時期について、医師の許可を得なければならないケースもあります。

 薬剤によって異なりますが、抗がん剤の投与後約2日間は、唾液や精液などの体液に抗がん剤が含まれていますので、抗がん剤曝露の危険性があるセックスは控えなくてはなりません。

 女性はホルモン療法などで潤いが不足することもあるため、水溶性の潤滑ゼリーを用いると良いでしょう。

 注意点として、清潔な環境が重要なのは言うまでもありませんが、「口や性器などの粘膜に傷がある」「出血を伴う」「発熱などの感染症状が疑われる」「手洗いやマスクの着用が指導されているような感染しやすい時期」「体や気持ちが行為に伴わない」といった場合には、セックスを控えることをお勧めします。

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