薬に頼らないこころの健康法Q&A

「震災ボランティア」は日本再発見のまたとない好機

井原裕教授(独協医科大学越谷病院こころの診療科)(C)日刊ゲンダイ

 熊本、阿蘇、九重といった今回被災した地域には、九州を代表する観光地が並んでいます。山都町には「通潤橋」という石造りのアーチ橋(一部に震災被害あり)があって、こちらは江戸末期に肥後の石工集団によって造られました。NHKの「新日本紀行」でも何度か紹介され、豪快な放水の風景で知られています。

■散財もまた被災地支援

 被災地の人々と接しながら、この地の歴史を学び、文化に触れるのも悪くありません。温泉につかるのもいいでしょう。各地の名物に舌鼓を打つのも大いに結構です。そうして、できることなら財布が空になるまで熊本・大分を遊びつくしてください。

 あなたの落としたお金のすべては、被災地の復興のために役に立ちます。被災地支援の一環として存分に散財していただきたいと思います(笑い)。自分が楽しみながら、無理のない範囲でさりげなく人のためになる行動をとる。これこそが最高のこころの健康法でもあります。

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井原裕

井原裕

東北大学医学部卒。自治医科大学大学院博士課程修了。ケンブリッジ大学大学院博士号取得。順天堂大学医学部准教授を経て、08年より現職。専門は精神療法学、精神病理学、司法精神医学など。「生活習慣病としてのうつ病」「思春期の精神科面接ライブ こころの診療室から」「うつの8割に薬は無意味」など著書多数。