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【難治性てんかん手術】東京都立神経病院・脳神経外科(東京都府中市)

東京都立神経病院・脳神経外科のてんかん治療部門をまとめる森野道晴部長(提供写真)

■側頭葉てんかんの発作消失率は85%

 てんかんは大きく分けて、脳の一部が興奮して発作が起こる「部分てんかん」と、脳全体が興奮して起こる「全般てんかん」がある。側頭葉てんかんは、部分てんかんのひとつ。異常な電気信号が起こる“焦点”が、脳の海馬(左右2つある)という部分にあることが多く、手術では片側の萎縮した海馬(海馬硬化症)を取り除く。

 一般的に行われている手術は海馬を取る際に近くの脳の一部も切除する術式だが、同科が積極的に行っているのは海馬のみを取り除く「選択的海馬扁桃体摘出術」だ。

「脳の一部を取ってしまうと、片麻痺や視野障害、失語、記銘力低下(新しい体験が覚えられない)などの合併症が起こりやすくなります。選択的海馬扁桃体摘出術は脳を極力温存するので合併症が大幅に予防できます。これまで約300例実施していますが、重篤な合併症はゼロです」

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