病院は本日も大騒ぎ

年頃の娘が荒れて…私が大学病院に勤めていなければ

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 大学の看護学科卒後、大学病院を経て市内の総合病院に勤務しているトシコです。若い看護師さんから「大学病院と比べてウチはどうなんですか?」とよく聞かれます。角が立たないよう、「あまり変わらないよ」と言うようにしていますが、本当はまったく違います。

 いまの病院はアットホームな雰囲気で「あの患者さんは気難しい」「よろけたふりをしてお尻や胸にタッチしてくる」「あの先生は手術が下手」なんて看護師同士で話しますが、大学病院では看護師は皆ピリピリして、私語は厳禁。皆ミスをしないよう、集中してました。他の診療科の仕事を手伝うこともしません。もしミスでもしたら大変なことになるからです。下手に他の診療科の看護師と仲良くしていて、噂話の発信元と疑われることがないよう、原則プライベートの付き合いもしませんでした。

 ところが、いまの病院では手伝います。絶対的な人数が足りないこともありますが、普段から意思の疎通ができているから相手のプライベートの事情もわかるし、頼む方もミスをしても問題にならない範囲で仕事を任せるからです。

 実は、私、給与の高い大学病院からいまの病院に転職したのは家庭に問題を抱えているからです。娘が年頃で、夜中に出歩くようになり、病院の夜勤をすることが難しくなったのです。

 大学病院での仕事はやりがいもあったのですが、もし、最初からいまの病院で昼間だけの勤務にしていれば、娘が荒れることもなかったのではないか、と思います。大学病院時代の私は、知らず知らず大きなプレッシャーを感じていて、それを家庭に持ち込んでいたのかもしれません。

 ただ、いまの病院にきて夜勤を免れた私ですが、「内科」の仕事は大変だと感じています。これまでは主に外来患者を担当し「耳鼻科」「眼科」などを受け持ってきました。仕事の手順、動く範囲はほぼ決まっていました。

 ところが、「内科」は扱う病気、患者さんもさまざまで、緊急性の高い患者さんもおられます。いまは常に廊下は小走り状態で、エレベーターを待つ時間が惜しく、階段を利用し上り下りは走っております。とくに一刻を争う「採血」や「輸血」の患者さんを担当する時は大変。もうすぐ40歳の声を聞く私は、「看護師は体力勝負」という言葉を身をもって感じています。