急増中! 大人の「食物アレルギー」を甘く見てはいけない

病院でぜひアレルギー検査を(C)日刊ゲンダイ

 高脂肪食、肥満、ビタミンD不足も、発症に関係しているという。現代的な生活習慣の変化が複雑に絡み合って、成人アレルギーを増やしているのだ。

 では、成人の食物アレルギーとは具体的にどんなものなのか。食物アレルギーには、「経口感作」と「腸管外感作」という2種類の発症ルートがある。経口感作は、口から食物を摂取してアレルギーを起こす場合。腸管外感作は、鼻や気道、皮膚から食物が体内に侵入してアレルギーを起こすケースをいう。

■放置すると重症化の恐れも

 成人の食物アレルギーは、とくに腸管外感作による発症頻度が高いという。食物が皮膚に直接付着したり、料理をしている際に室内に舞った食物のタンパク質などが皮膚、鼻、喉から吸収されて起こる。

「人間の体は、異物が侵入してくるとそれを攻撃するために、リンパ球による『IgE抗体』を作ります。これとアレルゲンが反応して、アレルギーのさまざまな症状を引き起こします。食べ物も人間にとっては基本的には異物です。それを排除しようとするのはしかるべき反応なのですが、口から摂取する食べ物には『免疫寛容』という特定の抗原に対する免疫抑制システムが働くため、反応を起こさずに済んでいます。しかし、繰り返し特定の食べ物を摂取し続けると、そのアレルゲンに対してのIgE抗体が蓄積され、経口感作でアレルギーを発症することがあり、皮膚や鼻などの免疫器官から食物が侵入すると、異物とみなして発症してしまうケースもあります」

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