独白 愉快な“病人”たち

うつ病をねじ伏せた コラムニスト・勝谷誠彦さんの考え方

陽気に語らう“のんべえ”は健在(C)日刊ゲンダイ

 患者としては珍しく、うつ病について病識があったことも幸いしたかもしれません。「こんな人がなりやすい」といったメディアが“つくった”うつ病に惑わされることなく、医師の指示に従って地道に生活を改善し、「うつなどない」と思い続けることで、徐々に出口に近づけました。

「こんな症状があったらうつ病かもしれない」なんて記事や情報で、自分がうつだと思い込んでしまう人もいるでしょう。でも、まずは本当にうつなのかを疑った方がいい。気持ちが落ちているだけかもしれないですからね。

 もうひとつ、仕事を休まなかったこともよかったと思っています。記憶があまりない間も、ラジオ出演や地方講演をこなしました。ニッポン放送では、週1回90分の生放送で、時事ネタを切るコーナーがあったのですが、ろれつがおかしくて、「です」と言っているつもりが「れす」だったりして、まったく切れていなかった(笑い)。司会の方が全力でフォローしてくださったので本当に感謝していますし、番組もよく私を使い続けてくれたなと思います。

 今はすっかり元通り。陽気に語らう“のんべえ”は健在です。

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