病気に潜む「脳の異常」

疲れは自律神経の混乱が原因で「飽きた」は疲労の第一歩

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 21世紀に入り、医学は飛躍的な進歩を遂げている。そんな中、病気やケガには「脳」が関わっているケースがあることもわかってきた。どう関わっているのかを専門家に聞いた。第1回は誰もが感じる「疲労」についてだ。

 日本人の約60%が何らかの疲れを感じている(2004年「文部科学省」疲労研究班調査)。「KAROSHI」(過労死)は英語圏でもそのまま使われているほどで、いまや大きな社会問題だ。

「疲労の原因は脳の疲労にあります。脳の中でもとくに自律神経の中枢に混乱が起こることで疲労を感じるのです」

 こう語るのは「すべての疲労は脳が原因」(集英社新書)の著者で「東京疲労・睡眠クリニック」(東京・新橋)の梶本修身院長である。大阪市立大学大学院研究科疲労医学講座特任教授も務めている梶本院長は、疲労・睡眠研究の第一人者。目下、検査紙に唾液をつけるだけで、疲労度が客観的に調べられる「疲労測定器」を大手医薬品メーカーなどと共同で研究・開発中だ。

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