病気に潜む「脳の異常」

疲れは自律神経の混乱が原因で「飽きた」は疲労の第一歩

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「疲労は、痛みや発熱と並ぶ体の異常を知らせるアラームです。しかし、それは筋肉の疲れで発せられるわけではありません。ゴルフや水泳などの有酸素運動は筋肉のダメージをほとんど受けませんが、疲れを感じます。つまり、肉体的なダメージがあるから疲れるのではないのです」

 では、疲れの原因とは何なのか?

「例えば運動が激しくなると、脳の『自律神経の中枢』(心拍数、呼吸、体温などの上昇を抑える働き)の処理が活発化します。その結果、脳の細胞で活性酸素が発生し、酸化ストレスの状態で自律神経がさびついてしまいます。こうなると本来の自律神経の機能が果たせなくなり、脳に疲労(脳疲労)を起こしてしまうのです」

 ここで勘違いしてはいけないのは、「疲労」と「疲労感」は違うということ。人は実際に疲労を感じていても、それを脳(大脳の前頭葉にある眼窩前頭野)が自覚しないと「疲労感」を得ることはできないのだ。

「脳疲労の3大シグナルは、『飽きる』『疲れる』『眠くなる』です。とくに『飽きる』は疲労の最初のシグナル。せっかく眼窩前頭野がそうしたシグナルを送ってくれるわけですから、この生体アラームが鳴ったら、すぐに休息をとることが大切なのです」

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