画期的ながん治療薬といわれる「オプジーボ」(一般名ニボルマブ)が話題になっています。がん細胞が持っている“人間の免疫からの攻撃をかわす働き”を阻害してがんを消滅させる薬で、切除不能の「悪性黒色腫」(メラノーマ)、切除不能の「非小細胞肺がん」が保険適用の対象になっています。
その効果とともに話題になっているのが高額な薬価です。オプジーボは1瓶(100ミリグラム)が72万9849円で、非小細胞肺がんの患者さん(体重60キロ)に1年間投与(26回使用)すると、約3500万円かかります。
医療費が一定額を超えたときに自己負担分が軽減される「高額療養費制度」を利用すれば、患者さんの負担は月8万円程度です。しかし、実際にかかっている薬剤費3500万円との差額分は、国民が負担している健康保険料と税金で賄われます。
現在、日本の医療費は全体で約40兆円です。仮に、13万人いるといわれる肺がん患者のうち、10万人にオプジーボを使ったとすると、薬代だけで年間3兆5000億円もの医療費が必要です。これでは、日本の保険制度はパンクしてしまいます。そのため、薬価の見直しも含めて議論されているのです。
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