病気に潜む「脳の異常」

日常の疲れは「いびき」が原因 回復には鶏肉が効く

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 最新の研究で疲労の本質が「脳疲労」にあることが鮮明になっている。脳疲労や睡眠研究の第一人者である「東京疲労・睡眠クリニック」(東京・新橋)の梶本修身院長が言う。

「脳疲労は、『自律神経の中枢』への活性酸素の攻撃によって起こります。ですから脳疲労の予防、治療はこの活性酸素にどう立ち向かうかにあります」

「脳疲労」の予防や回復法は第一に「睡眠の質と量」、次いで「入浴」、それに「食事」だという。

 昼間、仕事中でもウトウトしてしまう。電車に乗るとすぐ寝る。何時間寝てもまだ眠い。

「こうした症状を持つ人は、たとえ睡眠時間を取っていても熟睡ができていない証拠です。その原因のひとつに『いびき』があります。“大したいびきではないから問題ないだろう”などと侮ってはいけません」

 いびきは、睡眠中に気道が狭くなって生じる現象だ。呼吸が阻害され、必要量の空気を肺に送りこむために、エネルギーを消費し、さらには自律神経にまで大きな負担をかけてしまう。

「いびきをかく人は寝ながら運動しているようなものですから、とても熟睡と言えません。とくに働き盛りの40代、50代は気を付けてほしいですね」

 いびきをどの程度かくかについては、医療機関に「PSG検査」(終夜睡眠ポリグラフ)がある。最近、開発された「疲労回復CPAP」(睡眠時呼吸補助装置)は、睡眠効率を高めることができる。

「食事」で梶本院長が勧めるのは、「イミダペプチド」(抗疲労成分)の摂取だ。食品に含まれる23種類の食成分のうち、どれが疲労に効くかを調べた結果だという。

 その効果は、3万キロも移動するようなあの強い渡り鳥を思い起こせばいい。鶏の胸肉に大量に含まれているという。目安となる摂取量は1日100グラム程度だ。

 疲労回復の「入浴」法については、「全身浴だと刺激が強く交感神経が優位になるため、逆に体温調節を行う自律神経の疲れを誘発する。そのため、38~40度のぬるま湯につかる半身浴が良い」そうだ。