どうなる! 日本の医療

製薬企業も大打撃 EU離脱で英国は世界から取り残される

 英国のEU離脱で世界中が大騒ぎだが、医療も無縁とはいえない。EUの研究補助金カットに加え欧州圏の薬事審査・ライセンシング業務がストップしてしまう可能性が高いからだ。欧州に留学経験のある大学医学部の研究者が言う。

「現在、EU加盟国の医薬品承認を管轄する欧州医薬品庁(EMA)はロンドンにあり約600人の研究者や専門スタッフがEU各国から集まっています。英国のEU離脱決定でEMAは仏、独への移転が濃厚で、英国から有能な人材が流出することになります」

 問題はそれだけにとどまらない。EMAがあることで多くの世界的な大手薬品企業が英国に拠点を置いてきたが、EMAが移ることで拠点を替える必要にも迫られる。日本の製薬企業の中にも武田薬品工業やアステラス製薬、エーザイなど、欧州ビジネスの統括拠点を英国に置いている企業が多いから日本も無縁とはいえないだろう。

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村吉健

地方紙新聞社記者を経てフリーに転身。取材を通じて永田町・霞が関に厚い人脈を築く。当初は主に政治分野の取材が多かったが歴代厚労相取材などを経て、医療分野にも造詣を深める。医療では個々の病気治療法や病院取材も数多く執筆しているが、それ以上に今の現代日本の医療制度問題や医療システム内の問題点などにも鋭く切り込む。現在、夕刊紙、週刊誌、月刊誌などで活躍中。