もうひとつは、遺伝の可能性だ。最近、注目されているのが「家族性高コレステロール血症」と呼ばれる遺伝が関係しているケースで、それだとすると、そうでない人に比べて心筋梗塞のリスク確率が13倍にハネ上がる。
「両親双方あるいは片方から遺伝子を引き継いでいると、遺伝子の異常が関係しているため、コレステロール値が生活習慣の改善だけでは“安全域”まで下がりません」
スタチンには、「腎臓障害を引き起こす横紋筋融解症や肝機能障害など重篤な副作用がある」ことから、一部に“スタチン悪玉論”を唱える医師もいる。坂本医師も「確かに重要な問題」と認めながらも、こう言う。
「重篤な副作用だからこそ専門医は常にチェックしており、少しでも疑わしい異変があればすぐに対処する。私が知っている限り、長期に副作用を見逃した医師はいません」
専門医が病気になったら飲む薬