専門医が病気になったら飲む薬

【糖尿病】早い段階で薬で血糖値を下げるのが主流に

低血糖は防げる(C)日刊ゲンダイ

 糖尿病の薬物治療は、「経口血糖降下薬」と「インスリン療法」に分かれる。さらに経口血糖降下薬は「インスリン抵抗性改善」「インスリン分泌促進作用」「尿への糖の排泄促進」「食後高血糖改善」と幅広いが、年間売上高ではインスリン分泌促進作用のあるDPP-4阻害薬が上位にズラリと並ぶ。

「経口薬による糖尿病治療はどの薬を、どう組み合わせて使うか、ガイドラインで明確に定められておらず、糖尿病専門医でなければ、“無難な選択”をしがち。実は専門医は、患者数に比べて圧倒的に少ないという現状があります。それで、非専門医は、新しい世代の薬であるDPP-4阻害薬を使っているのではないか」

 糖尿病の薬が複数あるのは、病態が複雑だからで、時間の経過とともにジグザグ状に悪化していく。

「生活習慣の改善で血糖値がよくなっても、また上がる。そこで薬を服用して改善しても、再び上昇してきて薬を追加して下げる。また上昇してきたら、さらに薬を追加しますが、また上昇する。その繰り返しで、糖尿病は悪化していくのです。かつては“薬の開始はできるだけ遅く”が主流でしたが、悪化が避けられない以上、今は早い段階で薬を使って血糖値を下げるのが主流です。どの薬を使うかは病態によりますが、いずれにしてもヘモグロビンA1cが8%以上なら速やかに薬を飲むべきだし、私もそうします」

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