普通の人の10倍 睡眠時無呼吸症候群が招く“緑内障リスク”

緑内障の発症リスクが10倍に…(C)日刊ゲンダイ

 先月初旬、その答えとなる研究論文を北海道大学大学院の研究グループが米国科学雑誌に発表した。コンタクトレンズ型眼圧計を用いて、7人のSAS患者の睡眠中に「脳波」「呼吸」「筋電図」「心電図」「いびき」「酸素飽和度」を測定したところ、睡眠中に呼吸が止まったときの方が、止まっていないときに比べ眼圧が下がったという。

「意外な結果でした。緑内障は眼圧の上昇による視神経のダメージで発症するといわれながら、正常眼圧の緑内障は全体の7割を超えています。その理由は謎です。これまでの研究から脳脊髄圧低下、眼血流減少などが原因といわれてきましたが、今回の結果から緑内障の発症の原因のひとつに酸素不足が関係する可能性が浮上したのです」(北海道大学大学院医学部眼科教室の新明康弘助教)

 ならば、SASの治療法として一般的なCPAP(鼻に装着したマスクから空気を送り込み気道を広げて無呼吸を予防する)治療法は有効なのだろうか?

3 / 4 ページ

関連記事