これで痛みを取り除く

「尿路結石の痛み」 経過観察中は非ステロイド性抗炎症薬

1カ月後に結石除去治療(C)日刊ゲンダイ

「よく背中と下腹部の2カ所に痛みを訴える患者さんがいます。それは結石が2つあるのではなく、1つの結石が2つの機序で痛みを発しているのです。水腎症や腎臓の炎症を合併していると、ウエストのベルトの上を叩くと飛び上がるほど痛みます。これは叩打痛と言って、泌尿器科特有の症状です」

 結石が膀胱近くまで下りてくると、頻尿、残尿感、排尿時痛などの膀胱刺激症状も表れる。結石が大きいほど痛みが強いと思われがちだが、逆に小さい結石の方が動きが速く、痛みも強い傾向があるという。

 痛みを取るには、非ステロイド性抗炎症薬(内服、座薬、点滴など)を使う。結石を取る治療をするかどうかは、結石の大きさが目安になる。長径10ミリ未満の結石の場合には、まず水分を多く取り自然排石を待つ(経過観察)。1カ月以上自然排石されない場合は、積極的な結石除去治療を検討する。

2 / 3 ページ