病気に潜む「脳の異常」

「ランナーズハイ」は危険な兆候 脳内麻薬が疲労感を隠す

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「このとき、脳内ではエンドルフィンやカンナビノイドといった脳内麻薬と呼ばれる物質が分泌され、疲労感や痛みを消して快感や多幸感に似た感覚が引き起こされるのです。しかし、これは疲労を癒やすものではなく、危険な状態なのです」

 では、どうすれば脳の疲労を和らげられるのか? よく終業後に疲れを発散するため、スポーツジムで汗を流したり、お酒を飲んで騒ぐ人がいるが、お勧めできないという。仕事で疲労した脳に新たな疲れが加われば、さらなる自律神経の乱れを呼び起こすからだ。

「脳疲労を軽減するには、自律神経の副交感神経を優位にして脳と体の活動を休息モードにする必要があります。そのためのひとつとして『ゆらぎ』のある生活を心がけることです」

 ここでいう「ゆらぎ」とは時々窓を開けて外気に触れる、鳥の鳴き声を聞く、室温を変えるといった、ちょっと違った環境に身を置くことで経験することだという。

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