一般的な放射線との違いは 陽子線治療を知る8つのヒント

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 二次性がんや、成長過程の障害を「晩期合併症」という。現在は小児がんの70%以上が治癒する時代で、小児がん治療の大きな課題のひとつは晩期合併症への対策。そのため、正常組織へのダメージが少ない陽子線治療が保険適用となった。

 がんによっても違うが、陽子線治療によって平均3分の1ほど二次性がんのリスクを下げられるという。

(5)小児がんでの陽子線治療の対象は?

 小児がんは約3分の1が白血病やリンパ腫、残りの半分近くが脳腫瘍で、脳腫瘍以外の小児固形がんの多くは「肉腫」「芽腫」。陽子線は放射線治療のひとつなので、これまで放射線(エックス線)治療の対象だったものが、そのまま陽子線治療の対象になる。すなわち、脳腫瘍、肉腫、芽腫などで、明確にガイドラインで定められている。

(6)陽子線治療で小児がんの治癒率は上がる?

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