病院は本日も大騒ぎ

ゴルフ大会のイベントナースのアルバイトをしたら…

ゴルフ観戦ではこまめに水分補給を
ゴルフ観戦ではこまめに水分補給を(C)日刊ゲンダイ

 こんにちは! 関東圏の総合病院に勤め、看護師歴20年のカヨです。みなさんは「イベントナース」という言葉をご存じでしょうか?

 花火大会やコンサート、スポーツ大会などのイベントに呼ばれる救護看護師のことで、家庭の事情などで休職中の看護師が頼まれることが多い仕事です。私も前の病院からいまの病院に転職する間に、知人の紹介でプロのゴルフトーナメントのイベントナースを引き受けたことがあります。

 当時は、イベントナースなんて待機しているだけのラクな仕事だと軽く考えていましたが、すぐに甘い考えだと悟りました。虫に刺された、転んで足をすりむいた、貧血になったなど、処置が難しい患者さんは少ないのですが、次から次に救護室を訪ねてきます。幸い私は救急病院で働いていたので対応できたのですが、経験の浅い看護師だと音を上げたのではないでしょうか。

 とくに混雑したのは選手のプレーが終わった後でした。多くのギャラリーは、お目当ての選手に飲まず食わずでついて回ります。その選手のプレーが終わるまでは我慢しているのですが、終了後に“具合が悪い”と救護室を訪れるのです。

 そういう人は、少なからず熱中症や脱水症にかかっています。たいていは水分を取ってもらい、アメをなめるなどして休んでもらえば回復しますが、中には注射が必要な場合もあります。

 私がイベントナースをしたときは、医師が1人いたので、その指示の下で処置を行えたので助かりました。そうでなければ相当戸惑っていたと思います。

 そうした苦労を知らない若い看護師は、イベントナースと聞くと「人が集まる楽しいイベントに参加できてうらやましいな」なんて口にします。私は笑顔で「そうねえ」と答えていますが、心の中では“もし、医師がいなくてイベントナースがあんただけならどうするの? 地獄よ地獄。イベントナースなんて10年早いわ”と毒づいています。