病気に潜む「脳の異常」

「過敏性腸症候群」は脳のストレスが引き起こす

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 オハイオ州立大学の研究チームのリポートによると、生後18~27カ月の幼児77人の便に含まれている腸内細菌の種類と構成比を調べ、幼児の健康状態や性格についてその母親たちにアンケート調査したところ、腸内細菌の多様性があればあるほど「ポジティブ」「好奇心旺盛」「社交的」といった積極的性格に関係する傾向があったという。

「脳腸相関については、医学界でもまだまだ研究を重ねなければいけません。ただ、過敏性腸症候群などを起こす自律神経のバランスの乱れとともに、重要な要因は、『セロトニン物質』であることは間違いありません」(鳥居院長)
腸は第2の脳

 神経伝達物質であるセロトニンは、高度な情報交換をしている脳に集中していると思われがちだが、そうではない。実はその90%は小腸など消化管に存在し、腸は脳と独立した神経ネットワークを持ちながらも、脳と相互に作用しあっているのだ。このため、腸は「第2の脳」と呼ばれている。

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