「ロボットリハビリ」はどこまで効果があるのか?

フットドロップ・システム(左)とハンド・リハビリテーション・システム(提供写真)

 これらは「機能的電気刺激(FES)」と呼ばれる機器で、腕やふくらはぎに装着し、皮膚からの電気刺激によって筋肉をコントロールして筋力強化や麻痺の改善を促す。上肢なら手指の開閉や掴む離すといった日常動作の改善、下肢は歩行機能の改善が期待できる。「ロボットスーツHAL」や「歩行アシスト」などが自宅で使えないのに対し、これらの機器は非常に軽量で、レンタル向きだという。

 同院の「最先端ロボットリハビリ外来」で医師の診断を受けると、患者の状態やニーズに合ったリハビリプランが提案され、レンタルが必要な人には理学療法士から機器の詳しい使い方の指導が行われる。あとはロボットを自宅に持ち帰って、好きなときにリハビリを行える。レンタル料は1カ月1万8000円(1台)。通院せずにいつでも好きなときにリハビリができることを考えれば、決して高くはない。

 ロボットを活用することで慢性期でもリハビリに対するモチベーションが高まり、継続して行うことができれば、後遺症を治すことも可能だ。第一病院では、2014年4月の外来開設以来、90人が来院。上肢は33台をレンタルして2人が、下肢は19台をレンタルして4人が回復した実績がある。ほとんど手を動かせなかった患者さんが、ロボットリハビリによって食事などの日常動作ができるまでに改善し、喜ばれたケースもあるという。

 他にも、8種類のロボットを揃える佐賀大病院や、兵庫県立リハビリテーション中央病院など、ロボットを活用したリハビリ外来を行っている施設が増えている。思うようにリハビリが進まずに悩んでいる患者にとって、ロボットが救いになるかもしれない。

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