「温泉の力」で健康に 週1入浴で“悪玉コレステロール”減

「行きつけ温泉」がダメなら「銭湯」がある(C)日刊ゲンダイ

 意外なことだが、温泉地でも温泉を自宅に引いたり、共同温泉施設を利用している人は半分に満たないとの報告もある。温泉地での平均寿命が必ずしも高くないのは温泉の恩恵を受けない人が大勢いるからだろう。

 都会に住んでいる人でもお金があれば、ドライブがてら週1回程度でも温泉地に、「行きつけ」の温泉を決めて通う手もある。気に入れば、定年後に温泉地に引っ越すことも可能だ。それができない人はどうすればいいのか。

「近くの銭湯を利用することです。地域で言葉を交わす人ができれば、精神的にも落ち着くはずです。広い浴槽の方が狭い浴槽に比べてリラックスしたときに出る脳波であるα波が多く出るとの報告もあります。しかも、いまの銭湯は人工炭酸泉をつくり出しているところも多く、沸かし湯以上の血管拡張作用が期待できます」(早坂教授)

 人前で裸をさらし、メタボのわが身と他人を見比べることは、健康について考えるキッカケにもなる。ボクサーのようにひとり黙々と運動をこなし、食事制限に苦しむよりも、「温泉の力」に頼る方がよほど健康的だ。

3 / 3 ページ

関連記事