6月から10月にかけては食中毒が増える季節です。食中毒にも漢方薬は効果を発揮します。特に、魚介類を食べた時に起こした食中毒、下痢、吐き気には、「香蘇散」がよく使われます。
香蘇散は、シソ、ショウガ、ミカンの皮などでできている漢方薬です。特に注目はシソです。シソには青ジソと赤ジソがあり、青ジソは殺菌、防腐作用があることで知られています。日常的にもおにぎりに混ぜたり、お弁当に入れたり、刺し身の横に添えられたりしています。
赤ジソは梅干しや紅ショウガなどの色付けに使われます。中国の後漢時代、華陀という医師がカニの食中毒で死にかけていた人を「紫色の草で蘇らせた」ことから、「紫」「蘇」の2つの言葉から「紫蘇=シソ」と呼ばれるようになったとの説もあります。
食中毒は命に関わることもあるので、医師の判断を仰いだ方がいいかもしれませんが、魚介類でお腹を下すことが多い人は香蘇散を常備しておくのもよいでしょう。
漢方達人をめざせ!