心臓手術は、事前にしっかり検査や診断をしたうえで、計画的に行われる予定手術がほとんどです。突然、病状が急変して救急車で搬送され、時間的な余裕がない中で救命処置を行うような緊急手術は、実はそれほど多くありません。
「要請を受けてから24時間以内に手術を開始」したケースが緊急手術と定義され、多いところでは心臓手術全体の15%、順天堂医院では6~7%程度。1週間に1回行われるかどうかの頻度になります。緊急手術になるケースは、解離性大動脈瘤や大動脈瘤の切迫破裂といった大動脈の病気や、急性冠症候群の患者さんが目立ちます。
緊急手術は、予定手術に比べると難易度が上がり、その分、患者さんの死亡率は5~7%くらいまでアップします。
これは、予定手術の10倍程度の数字です。予定手術とは違って、術前に精密な検査を行えないことや救命処置をしながらの手術になっていることが大きな要因です。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」