役に立つオモシロ医学論文

騒音レベルが大きいとうつや不安を有する割合が大きい

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 騒音は多くの人にとって不快で、ストレスとなるものです。それが精神的な健康状態とどう関連するかについて、これまであまり研究されていなかったように思います。

 騒音と不安や抑うつへの影響を検討した大規模なアンケート調査が、今年5月、科学・医学分野で有名な「プロス・ワン」という学術誌に掲載されました。この研究は、35~74歳のドイツに在住している1万4635人(平均54.9歳、女性49.4%)を対象とした調査です。

 日中および就寝中の「道路交通騒音」「航空機騒音」「鉄道騒音」「産業/建設騒音」「近隣屋内騒音」「近隣屋外騒音」の6つの騒音について、「騒音なし」「わずかな騒音」「中等度の騒音」「強い騒音」「非常に強い騒音」の5段階で評価しています。なお、不安症状や抑うつ症状は症状スコアによる点数で評価をしています。

 研究の結果、騒音レベルの上昇とともに不安症状やうつ症状のスコアが、統計的にも有意に悪化しました。また「騒音なし」と比べて、「非常に強い騒音」では、うつ病の有病者が1.97倍、極端な不安感を有する人も2.14倍、統計的にも有意に多いという結果でした。騒音の不快感の度合いが最も大きかったのは「航空機騒音」でした。

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青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。