年間の処方箋枚数は全国で7億枚超。そのメリットは大きいという。
しかし、外科医でNPO法人「医療制度研究会」副理事長の本田宏医師の考えは少し違う。
「少なくとも、私が問い合わせた複数の地方病院は、電子処方箋をまったく導入していませんでした。大病院や大薬局は対応可能かもしれませんが、患者が少ない個人経営の薬局などはシステム投資や作業習得の負担感が大きい。患者に薬を渡した直後、湿布薬の追加がわかった場合、紙と違って電子処方箋だと再び煩雑な手順が必要となります」
しかも、究極の個人情報である“医療情報”を完璧に守れるのか、常に不安がつきまとう。
「結局、電子化の恩恵を受けているのはIT関連業界で、病院や薬局、患者もメリットはさほどではないのではないか」
■ウハウハなのはIT企業だけ
どうなる! 日本の医療