どうなる! 日本の医療

いまの医療改革は“内需拡大”のための経済政策に過ぎない

 年間の処方箋枚数は全国で7億枚超。そのメリットは大きいという。

 しかし、外科医でNPO法人「医療制度研究会」副理事長の本田宏医師の考えは少し違う。

「少なくとも、私が問い合わせた複数の地方病院は、電子処方箋をまったく導入していませんでした。大病院や大薬局は対応可能かもしれませんが、患者が少ない個人経営の薬局などはシステム投資や作業習得の負担感が大きい。患者に薬を渡した直後、湿布薬の追加がわかった場合、紙と違って電子処方箋だと再び煩雑な手順が必要となります」

 しかも、究極の個人情報である“医療情報”を完璧に守れるのか、常に不安がつきまとう。

「結局、電子化の恩恵を受けているのはIT関連業界で、病院や薬局、患者もメリットはさほどではないのではないか」

■ウハウハなのはIT企業だけ 

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村吉健

地方紙新聞社記者を経てフリーに転身。取材を通じて永田町・霞が関に厚い人脈を築く。当初は主に政治分野の取材が多かったが歴代厚労相取材などを経て、医療分野にも造詣を深める。医療では個々の病気治療法や病院取材も数多く執筆しているが、それ以上に今の現代日本の医療制度問題や医療システム内の問題点などにも鋭く切り込む。現在、夕刊紙、週刊誌、月刊誌などで活躍中。