どうなる! 日本の医療

いまの医療改革は“内需拡大”のための経済政策に過ぎない

 安倍政権の医療改革は医療費削減に名を借りて強行される“内需拡大のための経済政策”“IT産業育成策”に過ぎない。

 実際、安倍政権下が解禁した薬のネット販売や、なし崩し的に始まった遠隔医療にしても喜んでいるのはIT業界だけ。4月からスタートした「かかりつけ薬剤師」も、儲けているのは認定薬剤師の資格を得るために必要なネット研修会社。医療機関に設置されているさまざまな高額医療機器のメンテナンスもネットで行われるのが普通になっている。

 その一方で、政府・与党は70~74歳が支払う医療費負担を2014年から1割→2割にアップ。さらに今後、70歳以上の高額医療の上限額を2017年度から引き上げる方針を決めた。

「40兆円を超える医療費削減に寄与するとの名目でIT化を進めていますが、成果が上がっているとは思えない。いまの医療改革はIT業者が潤うだけで、その象徴のひとつが電子処方箋ともいえます」

 そもそも役人は国民医療費という巨額な税金を使い、どの業界を育成するかを考えているだけ。本気で国民医療費を削減しようとは思っていない。

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村吉健

地方紙新聞社記者を経てフリーに転身。取材を通じて永田町・霞が関に厚い人脈を築く。当初は主に政治分野の取材が多かったが歴代厚労相取材などを経て、医療分野にも造詣を深める。医療では個々の病気治療法や病院取材も数多く執筆しているが、それ以上に今の現代日本の医療制度問題や医療システム内の問題点などにも鋭く切り込む。現在、夕刊紙、週刊誌、月刊誌などで活躍中。