看護師直伝 がん治療と笑顔で付き合う

専門性の高い看護婦の「同行訪問」は在宅療養の強い味方

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 専門性の高い看護師の「同行訪問」をご存じですか?

 2012年の診療報酬改定で、がん看護専門看護師、がん分野の認定看護師、皮膚・排泄(はいせつ)ケア認定看護師が、訪問看護ステーションの看護師と一緒に訪問できる制度ができました。対象は、在宅で悪性腫瘍(がん)の鎮痛療法もしくは化学療法を受けている患者さん、または真皮を超える褥瘡(じょくそう)の状態にある患者さんで、通院が困難な方です。

 制度が始まって4年目になりますが、地域によって認知度にまだまだばらつきがあるように感じます。みなさんのお住まいの地域ではいかがでしょうか。

 全国に専門看護師や認定看護師が増えてきているとはいえ、訪問看護ステーションに所属する専門性の高い看護師は多くはありません。がん看護専門看護師でいえば、訪問看護ステーションなどの地域に所属している看護師は全体の約1・2%しかいないのです。

 でも、この制度では、在宅療養の方々も、病院に所属する専門性の高い看護師を活用することができます。これは、いま利用している訪問看護で不十分ということではありません。患者さんやご家族が専門的な視点で相談にのって欲しい場合や、訪問看護ステーションが専門的な判断やケアについて相談する場合に役立つのだと考えてください。

 ご利用にあたっては、お住まいの地域やご利用の訪問看護ステーションなどへ。専門性の高い看護師が所属する病院等の制度によっては必要な手続きが異なる場合もありますが、月1回1割負担の場合、医療費1285円(3割負担なら3855円)で利用することができます。これに別途交通費がかかる場合もあります。

 少しでも専門性の高い看護師たちが、在宅で療養される患者さん、ご家族、そして訪問看護師さんのお役に立てればいいなと思います。