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【眼の羊膜移植】けいゆう病院・眼科(神奈川県横浜市)

けいゆう病院・眼科の川村真理部長(提供写真)
癒着で眼球が動かない人に朗報。病院で採取した羊膜移植が可能

 同科は網膜硝子体手術と並び、「羊膜移植による眼表面再建」を積極的に行っている。日本組織移植学会の「羊膜バンク」に認定されており、自施設で採取した羊膜を治療(移植)に使うことが可能だ。同科の川村真理部長が言う。

「羊膜は胎盤の一部で、赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいるときに包まれている卵膜(3層)の最も内側にある薄い半透明の膜のことです。当院は周産期医療が盛んです。産科の協力で、妊婦さんに同意を得て帝王切開直後の羊膜を提供していただいているのです」

 通常、羊膜は法律に従って胎盤組織と一緒に廃棄処分される。しかし、厚さ0.1ミリのしなやかで丈夫な羊膜には、昔から抗炎症作用、細胞の増殖や癒着、瘢痕形成を抑える働きなどがあることが分かっている。

■2014年には羊膜移植が保険適用に

 しかも、拒絶反応を起こしにくい特徴があることから、以前からヤケドをした皮膚の再生や開腹手術後の内臓の癒着防止などに使われていたという。

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