病院は本日も大騒ぎ

専門看護師資格があっても仲間からは尊敬されないワケは?

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 大学の看護学科卒業後、現在、関東圏内の総合病院に勤務しているトシコです。間もなく40歳越えです。

 大学付属病院など、これまで3カ所の病院に勤務し、外来患者、入院患者さんなどを相手に、多くの看護師経験を積んできました。

 そうした経験の中で、2年近く透析の病棟を担当したことがあります。2~3人の看護師が付き、他に臨床医師を含めると総勢5人。だいたい午前中に20人、午後から20~30人の透析患者を担当しました。

 2時間の透析という比較的短時間の患者さんもいましたが、慢性腎不全の患者さんは1回4~5時間、それを週に2~3回が欠かせません。患者さんはテレビを見たり、本を読みながらベッドに寝ていましたが、常にかわいそう……という気持ちがありましたね。

 人工透析の患者さんには、高血圧など多くの合併症を抱えているケースがあります。そのため、常に患者さんの間を巡回しながら、体調の変化に気をつけました。

 血圧が20ぐらい上がると担当医に連絡し、透析をストップ。降圧剤を飲んでもらいます。少し様子を見てから再開しますが、血圧が下がらない患者さんは入院してもらいました。

 人工透析を担当している看護師たちとの間で、「透析療法指導看護師」(DLN)という資格について話し合ったことがあります。

 資格要件は看護師の実務経験5年、それに透析経験3年、学術集会(研究会)の出席などの証明書があれば認証されるという話でした。

 普段の看護師業務はハードで、体力も消耗しています。せめて休日は緊張感から解放されて、自宅でのんびりしたい。学術集会などに参加している余裕がありません。私が関係する看護師で、その資格を取った人はいませんし、取ったとしても「時間と暇があるのね」とやっかまれるだけで尊敬されませんでした。

 最近は看護師もお医者さん並みに専門資格が問われますが、「専門」を名乗るにふさわしい勉強をし、高度な知識を本当に身につけている人はごくわずか。現場で忙しく働く私から見れば、頭デッカチの“プライド人間”をつくるだけで、専門看護師資格なんて大したメリットもありません。