「脳動脈の『コブ』がどのように発生し、なぜ破裂するのか。詳細に解明されているわけではありません。ただ、コンピューターを用いて血流による血管壁への刺激などをシミュレーションすることで、将来の動脈瘤の成長や破裂などの予測が検討されています」
脳動脈瘤の発症原因は、遺伝のほかに、高血圧、加齢があり、食べ物も間接的に影響を与えていることがわかっている。しかし、大きな要因の一つは血流である。
「もし、血流以外の原因で脳動脈瘤が発症するのなら、脳動脈瘤は脳のいたるところの血管にできているはずです。ところが、脳動脈瘤が発症する場所は8割が3カ所に集中しています。いずれも動脈との分岐点で、血液の流れが速く、血流が血管の内側にある細胞(内皮細胞)をこする力(壁面せん断応力)が強い場所です」
では、血流の速さと壁面せん断応力の強さを決めるのは何か?
病気に潜む「脳の異常」