身近な薬の落とし穴

事故に繋がることも…咳止めが引き起こす“眠気”を侮るな

安易に多用してはいけない(C)日刊ゲンダイ

 咳はツラい症状です。大切な会議や睡眠のジャマにもなります。そんな咳を鎮めるための市販薬には、非常に多くの種類があります。ただ、中には思いもよらぬ副作用や、他の薬との相互作用に注意するべきものがあるので、安易に多用するのは避けましょう。

 咳には、ホコリなどの異物が体内に入りこまないようにして体を守る役割があります。のどに異物が侵入すると、「脳へ信号」が送られ、咳が発生します。鎮咳薬(咳止めの薬)は、この脳への信号を抑えて咳を鎮めます。

 多くの鎮咳薬に配合されているのが「コデインリン酸塩」という成分です。これは麻薬性鎮咳薬とも呼ばれ、麻薬であるモルヒネなどの物質と同じような働きをします。適切に使用する場合は、量が少ないため依存性などの心配はほとんどありません。しかし、大量に長期間使用すると、依存性があるだけでなく、呼吸困難で死に至ることもあります。適切に、そして必要最小限での使用を心がけましょう。

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中尾隆明

1985年、愛媛県生まれ。愛媛県立南宇和高等学校を経て岡山大学薬学部を卒業。2008年からこやま薬局(岡山県)で管理薬剤師を務め、現在は企画運営部主任として各店舗のマネジメントを行っている。8月に著書「看護の現場ですぐに役立つ くすりの基本」(秀和システム)を発売。