これで痛みを取り除く

「五十肩・膝痛」 不要な新生血管をカテーテルで消す

膝痛がつらいなら…(C)日刊ゲンダイ

 五十肩や膝痛などの関節の慢性的な痛み。これまで整形外科の治療では、検査画像から診断し、骨や関節組織の構造的な破綻を治す(形を治す)ことを主な目的としてきた。そのため、患者の痛みの除去はあまり重視されず、鎮痛薬や湿布などを使って患部の炎症が治まるのを待つ対症療法が行われているのが一般的だ。

 しかし、骨や関節の「形」に大きな異常は見られなくても、長引く痛みに悩まされている人は少なくない。そんな慢性的な痛みを取り除く「運動器カテーテル治療」という新しい治療法がある。開発者の江戸川病院・運動器カテーテルセンター(東京・小岩)の奥野祐次センター長はこう言う。

「この治療法は、血管の中にカテーテル(柔らかい細径チューブ)を挿入して、痛みのある場所まで移動させ、少量の薬剤を注入するだけです。体の負担がきわめて軽いので、歯科治療くらいの感覚で受けられます」

1 / 3 ページ