これで痛みを取り除く

「五十肩・膝痛」 不要な新生血管をカテーテルで消す

膝痛がつらいなら…(C)日刊ゲンダイ

 治療前に外来で造影剤を使ったMRI検査をする必要があるが、治療自体は局所麻酔で40分くらいで済むので日帰りが可能。カテーテル治療といえば、脳動脈瘤や心臓病などの治療でよく使われている。しかし、なぜカテーテル治療で痛みが取れるのか。新しいのは“痛みと血管の関係”に着目している点だ。

「いつまでも治らない痛みの原因は長引く炎症です。炎症が長引いている場所には細かい血管が異常に増えていて、その血管と対になって神経も増えています。正常な毛細血管は血液がゆっくり流れていますが、痛い場所にできた新生血管は血液の流れが非常に速く、それが周囲の神経を刺激して痛みとして感じるのです」

 通常の炎症はすぐに治まり、痛みもなくなる。しかし、長引く炎症では新生血管が残ってしまい、神経も残るので慢性的な痛みが続いてしまうという。運動器カテーテル治療は、「チエナム」という抗生物質の一種を直接投与し、不要な新生血管の流れを一時的に詰まらせることで、痛みを感じている神経もろとも消失させるのだ。

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